日本国内には多種多様な昆虫が生息していますが、その中でも特に人間にとって脅威となるのがスズメバチの仲間です。スズメバチと一口に言っても、日本には大きく分けて七種類のスズメバチが生息しており、それぞれに異なる生態や危険度、身体的な特徴を持っています。これらの種類を正しく見分けることは、万が一遭遇した際の適切な回避行動や、家の周辺に巣が作られた際の対処法を判断するために極めて重要です。まず、スズメバチの中でも最大かつ最強と言われるのがオオスズメバチです。体長は女王蜂で四センチから五センチ近くに達し、働き蜂でも三センチ以上という圧倒的なサイズ感を誇ります。頭部は鮮やかなオレンジ色をしており、腹部には黄色と黒の太い縞模様があるのが特徴です。彼らは主に土の中に巣を作るため、ハイキングや山菜採りの際に足元を不用意に刺激して襲われるケースが多く、その毒の量と攻撃性は他の追随を許しません。次に、私たちの生活圏で最も頻繁に目にするのがキイロスズメバチです。体長は二センチ前後とスズメバチの中では小型ですが、その名の通り体全体が黄色い毛で覆われているように見え、非常に鮮やかな色彩をしています。非常に攻撃的で、家の軒下や屋根裏、時には橋の下など、あらゆる場所に巨大な球状の巣を作ります。都市部での被害が最も多い種類としても知られており、わずかな振動や騒音にも敏感に反応して集団で襲いかかってくるため、最も警戒すべき存在と言えるでしょう。これに似た名前を持つコガタスズメバチは、名前に反して中型のハチであり、外見はオオスズメバチをそのまま小さくしたような配色をしています。彼らは庭木や生け垣の中に、初期段階ではとっくりを逆さにしたような形の巣を作り、完成するとバレーボールのような球体になります。比較的おとなしい性質ですが、巣を刺激すれば当然激しく攻撃してきます。他にも、腹部の先端が黒いという明確な特徴を持つヒメスズメバチや、セミを主食とするモンスズメバチなど、それぞれに見分けのポイントが存在します。これらの特徴を理解する際は、まず「大きさ」に注目し、次に「全体の色味(黄色が強いかオレンジが強いか)」、そして「腹部先端の色」を確認するのがコツです。スズメバチは種類によって巣を作る場所も異なるため、飛んでいるハチの種類が分かれば、その近くのどこに注意すべきかが見えてきます。知識を持つことは、恐怖を抑え、自分や家族の身を守るための最強の武器となるのです。
日本の危険なスズメバチの種類と見分け方の基本