赤ちゃんのいるご家庭では、害虫対策一つとっても、その安全性に最大限の配慮が必要です。バルサンは非常に効果的な駆除剤ですが、その強力な殺虫成分がデリケートな赤ちゃんに与える影響を考えると、使用には通常以上の慎重さが求められます。まず大前提として、バルサンを使用する際は、赤ちゃんを安全な場所に長時間避難させる必要があります。実家や親戚の家など、その日は別の場所で過ごせるように計画を立てるのが最も理想的です。それが難しい場合でも、製品が指定する時間プラス数時間は、家に戻らないようにしましょう。準備段階では、赤ちゃんが日常的に触れるもの全てを薬剤から守る必要があります。ベビーベッドやおもちゃ、ハイチェア、哺乳瓶などは、大きなビニール袋にまとめて入れて口を固く縛るか、別の部屋に移動させて完全に隔離します。衣類やガーゼ、おむつなども同様に、クローゼットや押し入れの奥にしまい、扉に目張りをするとより確実です。バルサンの使用が終わり、家に戻ってきてからが最も重要な工程です。まず、窓を全開にして、説明書に記載されている時間よりも長く、徹底的に換気を行ってください。室内の空気が完全に入れ替わるまで、赤ちゃんを家に入れるのは絶対に避けます。換気が完了したら、次は入念な拭き掃除です。赤ちゃんはハイハイで床を移動し、何でも口に入れてしまいます。そのため、床や建具、家具の表面に残った薬剤を徹底的に除去しなければなりません。固く絞った清潔な雑巾で、床全体を丁寧に水拭きします。特に赤ちゃんの行動範囲は、二度拭き、三度拭きをするくらいの心構えで臨みましょう。ベビーベッドやハイチェアなど、避難させていたベビーグッズも、念のため使用前に再度拭き上げておくと安心です。布団やぬいぐるみなど、掃除機がかけられるものにはしっかりと掃除機をかけ、ダニの死骸などを吸い取ります。赤ちゃんの健康と安全を守ることを最優先に考え、準備から後片付けまで、全ての工程を慎重すぎるほど丁寧に行うこと。それが、赤ちゃんがいるご家庭でのバルサン使用における絶対的なルールです。
赤ちゃんがいる家のバルサン使用の注意