自宅の軒下や庭木に蜂の巣を見つけた時「殺虫剤は怖いから天然のハッカ油で追い払おう」と考える人がいますがこれは絶対にやってはいけない禁忌事項です。巣に直接ハッカ油をかける行為は寝ている虎の尻尾を踏みつけさらに顔に水をかけるようなものです。巣には女王蜂と多数の働き蜂が待機しており彼らの最優先事項は巣(家と子供)を守ることです。そこに突然刺激臭のする液体が降り注げば彼らは即座に臨戦態勢に入ります。ハッカ油には蜂の動きを止める神経毒もなければ呼吸を止める成分も入っていません。つまりスプレーされた蜂たちは五体満足のまま怒り狂って一斉に飛び出してくるのです。巣から溢れ出た数十匹から数百匹の蜂がフェロモンを撒き散らしながら攻撃対象を探す地獄絵図が展開されます。スプレーをした本人はもちろん近隣の住民や通りがかりの人まで巻き込んで刺傷事故を起こす可能性があり大変危険です。もし運良く刺されずに済んだとしても蜂たちは一度攻撃された巣を放棄せず匂いが消えるのを待って戻ってくるか近くに再営巣する可能性が高いです。またハッカ油が染み込んだ巣は蜂にとって不快な環境になるため巣の中にいた幼虫や蛹を捨てて引っ越しを始める過程で周囲を飛び回り非常に神経質な状態が続きます。巣の駆除に関しては「安全な天然成分」などという甘い考えは通用しません。確実に一瞬で仕留める合成ピレスロイド系の強力な殺虫剤を使用するかプロの駆除業者に依頼するかの二択です。ハッカ油の出番はあくまで「巣を作らせないための予防」であり「できてしまった巣への攻撃」には決して使ってはいけないことを肝に銘じてください。